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うつ病の方

①よくあるお悩み

うつ病にかかると、過度ともいえる自責の念や、判断力の低下といった症状を招きます。こうしたことは患者にとって、さらにひとりで病気を抱え込む結果につながります。
 
うつ病は、思いのほか見逃されやすい病気です。その理由のひとつに、うつ病を発症しやすい性格の方には、自分の辛さを他の人に表現することを避けたり、手助けを求めることを控えようとする傾向が見られることです。

【うつ病の主な症状】

気分や行動面
  • 憂うつ感、絶望感、ひどく悲観的になるなど、沈んだ気持ちが続く。
  • 意欲が湧かず、何も楽しいと感じることができない。
  • ささいな出来事や他の人の言動で、自分を責めてしまう。「自分という人間には価値がない」と強く思い込んでしまう。
  • 気力が低下し疲れやすい。思考力や集中カが低下している。仕事や日常生活において、作業能率が落ちている(あるいは、そう感じる)。
身体面
  • 重く締めつけられるような頭痛。
  • 腰痛、肩こリなど、身体の節々の痛み。
  • 食欲不振、胃の痛み。
  • 発汗、息苦しさなど。
 
上記の状態は、日常生活のストレスから誰にでも起こりうることですが、症状が2週間以上続いて、日常生活に支障をきたしているようなら、うつ病の可能性があります。
うつ病の発症には、脳内の神経の変調が関係しています。
個人の心の弱さが原因ではありません。早めの受診が大切です。
 
また、うつ病には、その前触れともいえるサインが存在します。
ご家族などで、うつ病の傾向が感じるものの本人は認めていないといった場合はぜひ下記に当てはまらないかチェックしてみてください。
 
  • 口数が減少した。ため息をつくことが多くなった。
  • よく眠れていないようだ。
  • 食欲がない。
  • 飲酒量が増えている。
 
職場において、目立つ兆候として、次のような方はいらっしゃいませんか?
 
  • 今まであまりなかったような失敗が増えている。
  • 能率が低下している。
  • 遅刻や欠勤が増えた。

②なぜその症状は起こるのか

うつ病は、脳の働きに何らかの問題が起きて発症すると考えられています。
単に気分が落ち込んだ状態なのか、それともうつ病であるのかは、具体的な数値など明確な基準があるわけではないので難しいですが、症状の程度や質、生活への支障の出方などで判断することができます。
 
それに、うつ病は心の症状だけではなく、「食事がおいしくないし、つまらない。」「いつもより早く目がさめるし、寝ようとしてもなかなか寝付けない…」といった体の症状があらわれることもあります。
 
また、うつ病の発症のきっかけはさまざまです。
その人自身の物事に対する考え方や生活環境、日常生活において発生したストレスなどが複雑にからみあって引き起こされると考えられています。遺伝との関連も研究されていますが、特定の遺伝子があれば必ず発症するというものでもありません。
なかには、うれしい、明るい出来事がきっかけとなって、うつ病を発症することもあるのです。

【うつ病が発症する要因】

脳の中では、情報を伝達するためにさまざまな神経伝達物質が働いており、そのうちセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンは、モノアミンと総称されています。一説に、うつ病は、このモノアミンが減ることで引き起こされるとされています。
しかし、これだけでうつ病が発症するしくみを完全に説明できるわけではなく、その他いくつかの説があります。

③例を放っておくとどうなるか

もしうつ病を早期発見できなかった場合は、早急な対処が必要です。
うつ病は自然治癒することは少なく、放置すると悪化していくことが多いためです。
若年層であれば、不登校、引きこもりになってしまうなどの状態になり、成人の場合、仕事へ行くのが困難な状態に陥りやすくなります。
また、そういった状況に陥ると、健康面、身体面においても不調をきたしやすくなります。
比較的重い場合、自殺未遂や遺書作成など死をほのめかすような行動に出ることもあるため、注意が必要です。