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発達障害の方

①よくあるお悩み

  • 落ち着いてじっとしていることが苦手
  • 空気が読めずコミュニケーションが苦手
  • 予期しない音に過剰に驚く
  • テレビの主電源などの光をまぶしく感じる
  • 「読む」「書く」「計算する」といった能力が極端に苦手
 
など、日常生活において悩みを感じることはありませんでしょうか?
これらに該当される方は発達障害かもしれません。
発達障害の具体的な例としては以下が挙げられます。
 
A.ADHD(注意欠陥多動性障害)
B.ASD(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム)
 
A.ADHD(注意欠陥多動性障害)
ADHDの症状は大きく、多動性、衝動性、不注意の3つに分けることができます。
〈多動性〉
落ち着いてほかの人々に合わせて行動することができない。目的のない動きをしたり、落ち着かずそわそわしてしまう。
〈衝動性〉
思ったことをすぐ口にしてしまう。衝動買いをしてしまう。
〈不注意〉
忘れ物、紛失が多い。興味のあることに集中しすぎるなど、時間をうまく管理できず、遅刻等が多い。物事を順序だてて行うことが苦手。

B.ASD(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラムなど)
ケースは様々ですが、言葉の遅れ、反響言語(オウム返し)、会話が成り立たない、格式張った字義通りの言語でしか会話できないなど、言語やコミュニケーションにおける障害が認められます。
また、一つの興味・事柄に関心が限定され、こだわりが強く、感覚過敏など感覚の問題が認められることも特徴的です。

②なぜその症状は起こるのか

「発達障害」は明らかな知的障害はないのに、脳機能の障害により定型とは異なる発達を示します。
つまり脳の発達に凸凹があるため、創造性や、コミュニケーション、認知機能などに偏りや歪みが見られ、それらが、いわゆる「困った行動」につながります。
 
発達障害が起きる理由ははっきりとは解明されていませんが、こういった症状は先天性のものです。
しかし、発達障害の症例の特性上、親の育て方に原因があるという認識を受け、負担に感じてしまう親たちもたくさん存在し、その判別は明確ではないことも事実です。
 
よく大人になってから人間関係に困ったり、仕事がうまくいかなくなった人が、「自分は発達障害になったのでは?」と心配するケースがあります。
そんな時、発達障害を診断するドクターは、問診の中でご本人の幼い頃からの育ちや困りごと、(遺伝的要素も探るため)親族の特性などを聞き取ります。もしその人が幼い頃から、不注意によるミスや多動による問題行動、コミュニケーションのトラブルなど、さまざまな困りごとを抱えていたのであれば「発達障害」の可能性はあります。
 
しかし、小さい頃は問題なく過ごしていて、大人になってから急に現れた問題なのであれば、それは「発達障害」ではなく、別の精神疾患などが疑われます。

③例を放っておくとどうなるか

上記の症状による日常生活における弊害はもちろんありますが、最も懸念すべきは二次障害です。
忘れ物や衝動的な言動、行動は、学校や社会などの集団生活の場では、注意を受けたり、周りになじめず孤立してしまうことが多くあります。
何度注意されても修正出来ないことで気を病んでしまい、「自分は何をやっても駄目なんだ」と、うつ病、不安障害などを発症する可能性も少なくありません。
こういった流れで発症する、うつ病、不安障害などが発達障害の二次障害です。うつ病をきっかけに、パニック障害・社会不安障害・統合失調症など様々な精神疾患を合併し、悪化する場合もあります。
子供のころは気がつかず、社会に出てから生きづらさを感じ、受診してみると、幼少期から発達障害の傾向があったことが判明するケースも増えています。
日常の困り感を感じる方は、早めに受診することが大切です。